メンテナンスの実施

真空遮断器等のメンテナンス

近年、受電設備において、VCB(真空遮断器)やVCS(真空開閉器)がよく使用されており、その機器のメンテナンスが必要になってきました。協会においても、お客さまの要望にお答えできるよう各種の試験器を導入し、試験を実施しています。

VCB(真空遮断器)高圧受電設備の主遮断装置 VCS(真空開閉器)コンデンサ設備の開閉用

VCB・VCSの不良原因

機器の劣化には熱的、電気的、機械的、環境・化学的なものがあり、その主な原因は、次のとおりです。

  • じんあい、温度変化など環境による機構部の劣化
  • 真空バルブの真空漏れ、電極中のガス放出による真空度の低下

VCB・VCSの寿命予知

機器の寿命判断には、日頃の点検とメンテナンスが重要です。主な項目は次のとおりです。

点検と注油

真空遮断器の機構連結部及び回転部が潤滑剤(グリース等)の劣化により遮断不能となることがあります。それは、潤滑剤(グリース等)の固化、固渋が原因であり、真空遮断器本体の機械的性能が低下し、信頼性、安全性が維持できません。機器本来の性能を十分に発揮し、継続するためにも、定期的な点検と注油の実施が必要です。

開閉操作特性試験

この試験は、遮断器の開閉性能、及び三相不揃い動作などをチェックします。遮断器の閉極(投入)/ 開極(遮断)時間が不揃いの場合、特別高圧回路では開閉サージの原因、高圧回路では地絡継電器装置の不必要動作などの原因となります。

開閉操作特性試験
開閉操作特性試験

真空度測定

VCB・VCSでは、電流遮断を行うための真空バブルがあり、バルブの真空度が低下すると地絡事故等の発生原因となります。

真空度測定

絶縁物の絶縁劣化

最近の受電設備機器(遮断器、負荷開閉器など)の絶縁物は、エポキシ樹脂・ポリエステル樹脂などの合成樹脂が使用されています。合成樹脂製の絶縁物の表面は、長年の使用により、塵埃などが付着して、汚損し絶縁劣化へと進行していきます。そのまま放置しますと、短絡事故、地絡事故につながり、お客さまだけの停電のみならず、付近の多くの工場や商店・家庭を巻き添えにし、地域一帯が停電となる波及事故になりかねません。事故を起こした事業場は、社会的責任を問われることとなります。
絶縁劣化になる現象は可逆的であり、清掃などによってほぼ元の絶縁状態に回復します。しかし、長年に亘って付着した汚損物は、簡易な清掃では容易に取り除けず、元の絶縁状態に回復できない場合があります。
そこで、特別清掃を行うことにより、絶縁劣化していた絶縁物が、元の絶縁状態に回復することができます。

1.絶縁物表面に塵埃などの汚損物の付着 2.大気中水分の吸湿 3.漏れ電流の増加 4.ジュール熱による乾燥帯の発生 5.局部的な微光放電の発生 6.トラッキング劣化 7.短絡事故、地絡事故 8.停電事故

事故写真(高圧真空遮断器)

汚損によって絶縁物の絶縁性能が劣化したため、短絡事故に至った屋外キュービクル内の高圧真空遮断器 汚損によって絶縁物の絶縁性能が劣化したため、短絡事故に至った屋外キュービクル内の高圧真空遮断器

特別清掃が効果的な設備

  • 海岸部周辺の塩害地区の受電設備
  • 粉塵等が多い環境の受電設備
  • 屋外キュービクル
  • 絶縁抵抗値が低下している高圧機器